クールには、ほど遠く。

母は、やっぱりすごい。今年70歳。おもしろいから、子どもたちも母の言うことは良く聞く。

お盆のお寺さんは超多忙で、あっという間にお経さんは終わり、お帰りになった。
その後、ご仏壇のお供え物をさっそく下げて、「バナナジュースを作る」と母。
「そういえば、そのジューサー昔からない？」と私が聞くと、
「あんたが、赤ちゃんのころ買ったんよ」
当時、赤ちゃんのためにジューサーを買える家は、ちょっぴりお金持ちだったようだ。
「ついでに、録音機も買ったっちゃ」
「え？じゃあ、私の赤ちゃんのときのテープとかあると？」
「いんや、あんたを録音する為に買ったんやないけ」
「は？じゃあ、何の為よ」
「どっきり企画」
「なんじゃ、そりゃ？！」
どうやら、お客さんがくると聞けば録音機を仕掛けて、隠し撮りをし、皆をびっくりさせるという為だけに父が買ったらしい。
43年前の録音テープがあったら、お宝だったのにと悔しがる私。
詰まんないことに使いやがって！

1号君と母が仲良くカフェオレを作ってのんでいた。
ストローがあまりに細いので聞くと、「ヤクルト専用」と言う。
ヤクルトの上の部分を剥すのが一苦労なので、ほそいストローを使って飲むという。
なあるほど。と感心したが、1号君が
「ばあちゃん、戸棚の中にぐるぐる巻きのストローがはいっとるやん」
「そういえば、そうじゃ」と取り出してきて、カフェオレを飲む母。
ハニカミデートで使うような、ストローを必死で吸い上げるも、年寄りにはきつかったようだ。
「相当な肺活量が要るけ、お蔵入りにしとったんやった」と、顔を真っ赤にして叫ぶ母。
「ばあちゃん、なんでそんなストロー買おうと思ったん？」
「わたしゃ、面白いと思ったら欲しいんよ。使えるとか使えんとか二の次三の次ーーーーーー」
実家には、自動手巻き器とか、おにぎりマシーンとか「1回は使ってみたけどぉ」っていうガラクタが多数存在する。

異様にたくさんの盆ちょうちん、顔専用扇風機、2号君が生まれる前のゼリーの素、一人暮らしなのに出し巻き玉子5パック。今回の発掘は、以上。

たのしい、盆休みでした。